2005年 11月 09日
なんのために生きるか |
先日からワイドショーは本田美奈子.さんの話題でもちきりだ。
訃報のニュースを聞いた朝、絶句してしまった。なんで?なんで彼女はだめだったの?
まず思ったことはそれだった。
彼女はデビュー当時からほかのアイドルとはまったく違った。
歌唱力やきらびやかさとは関係ない芯の太い本物の歌い手だった。
彼女のデビュー当時、父が「本田美奈子は好きだ」と言っていたのを覚えている。
父がアイドルを好きだなんていったのは、彼女が最初で最後だ。
同世代の南野も森口も知らないが本田美奈子は知っている。という状態。
理由は「歌がうまかったから」。至極当然だ。
朝見ていたワイドショー。コメンテーターやインタビューしている人が泣いている姿は
見たことがあるけれど、普通冷静を装う司会者までのどを詰まらせながらやっと
コメントをする姿というのはあまりみたことがなく、ぐっときました。
言葉が出ない。しばらくの沈黙が訪れるスタジオの風景はほかのチャンネルでも見ました。
あまりない光景でした。それだけ巷のショックは大きいんだと改めて実感しました。
15000人に一人という急性骨髄性白血病。その中でも彼女のタイプは
200万人に一人という悪質な難病タイプの白血病だったそうだ。
最近白血病の芸能人が多いが、みな復帰を果たしている。彼女もきっと同じように
帰ってくると誰も信じて疑わなかった。神さまはなんて残酷なんだろう。
口中に口内炎ができて水も飲めず、砕いた氷を含むのがやっとだったというのに
それでも歌いたいから無菌室でストレッチをするほどがんばっていたとか。
ミスサイゴンが決まったとき、一年間仕事をすべてキャンセルして、オペラの
発声や歌の基礎を一からやり直したのは有名な話。
その後も努力に努力を重ねてクラシックが歌えるまでになった。
プロのオペラ歌手が、誰が彼女にボイストレーニングを教えたんだろう?
アイドルからあの声になるのはとても信じられないと言ったそうだ。
「つばさ」という曲では30秒もの長い間、息継ぎもなくひとつの音をまったくぶれずに
はったまま歌い上げる。驚異的だ。ミュージカルで鍛え上げた体と努力の賜物。
ミスサイゴンのあと音域も1オクターブ伸びたとか。血のにじむような努力をしたのでしょうね。
本当の意味で「一音、音域を広げる」ということはとても大変なことなんです。
単純に出るのではなく、音として使える状態で一音ただ出すだけでも
数音あげないとできない。
でもその大変な努力も「歌」が自分にとって何よりかけがえのないもの。ということが
わかっていたからできたこと。
「歌うことにめぐり合えたから、幸せだから、辛いことはない。」(あったけど忘れちゃった)
そうまぶしい笑顔で語る彼女の姿がうらやましくもある。
本当に短い人生はこれからというときであって、沢山の方にとって悔しくもあり、残念。
でも歌という彼女にとって最高のものに出会え、全力で向かうことができたことは
とても幸せなことでもあったと思う。
ただ、何も目標もなく、だらだら生きている人のなんと多いことか。
生きることは長ければいいものではなく、「どう生きるか」が大事。
でも、それでも彼女の死は本当に残念です。
自分は果たしてどうだろう?と恥ずかしくなります。生きるためにどれだけの努力を
しているか?これだけ情熱を傾けたことがあるか?必死になったことがあるか?
どれにも答えることができません。
天使のような人だったとみなが口をそろえていう。コメントを言うみなさんが
悲しいより悔しいという思いがひしひしと伝わってきて、
見てるこちらも涙が止まらなくなりました。
昨年友人とミスサイゴンを見ました。知念里奈と松たか子の両方です。
すごいと思いました。でも一緒に行った友人は本田美奈子.のを見ていて、
「こんなものではない」と。全然違うと話していました。
その後その友人に当時のミスサイゴンのCDを借りました。本田美奈子.が主演のです。
圧倒されました。声量もさることながら豊かな伸びのある声、歌での感情表現、etc
迫力は雲泥の差でした。彼女のためにあったミュージカルと言われたのがよくわる。
あんなにロングランだったのに、一度見ておくんだったと思ったものです。
20周年の今年、元気なら沢山のステージやアルバムなどの活躍が見られたことでしょう。
神様が自分のために歌って欲しいから呼び寄せたのではという人も多かったですが、
アリアはこの世に生きる人、辛いことや悲しいことにもがいている人にこそ聴かせるもの。
やっぱりこの世にあってもっと聞かせて欲しかったですね。
とても残念です。
やすらかに。ただやすらかに、今は辛い体から解放されて休んで欲しい。
そして苦しさも痛みもなく好きなだけ歌って欲しいと心から思います。
訃報のニュースを聞いた朝、絶句してしまった。なんで?なんで彼女はだめだったの?
まず思ったことはそれだった。
彼女はデビュー当時からほかのアイドルとはまったく違った。
歌唱力やきらびやかさとは関係ない芯の太い本物の歌い手だった。
彼女のデビュー当時、父が「本田美奈子は好きだ」と言っていたのを覚えている。
父がアイドルを好きだなんていったのは、彼女が最初で最後だ。
同世代の南野も森口も知らないが本田美奈子は知っている。という状態。
理由は「歌がうまかったから」。至極当然だ。
朝見ていたワイドショー。コメンテーターやインタビューしている人が泣いている姿は
見たことがあるけれど、普通冷静を装う司会者までのどを詰まらせながらやっと
コメントをする姿というのはあまりみたことがなく、ぐっときました。
言葉が出ない。しばらくの沈黙が訪れるスタジオの風景はほかのチャンネルでも見ました。
あまりない光景でした。それだけ巷のショックは大きいんだと改めて実感しました。
15000人に一人という急性骨髄性白血病。その中でも彼女のタイプは
200万人に一人という悪質な難病タイプの白血病だったそうだ。
最近白血病の芸能人が多いが、みな復帰を果たしている。彼女もきっと同じように
帰ってくると誰も信じて疑わなかった。神さまはなんて残酷なんだろう。
口中に口内炎ができて水も飲めず、砕いた氷を含むのがやっとだったというのに
それでも歌いたいから無菌室でストレッチをするほどがんばっていたとか。
ミスサイゴンが決まったとき、一年間仕事をすべてキャンセルして、オペラの
発声や歌の基礎を一からやり直したのは有名な話。
その後も努力に努力を重ねてクラシックが歌えるまでになった。
プロのオペラ歌手が、誰が彼女にボイストレーニングを教えたんだろう?
アイドルからあの声になるのはとても信じられないと言ったそうだ。
「つばさ」という曲では30秒もの長い間、息継ぎもなくひとつの音をまったくぶれずに
はったまま歌い上げる。驚異的だ。ミュージカルで鍛え上げた体と努力の賜物。
ミスサイゴンのあと音域も1オクターブ伸びたとか。血のにじむような努力をしたのでしょうね。
本当の意味で「一音、音域を広げる」ということはとても大変なことなんです。
単純に出るのではなく、音として使える状態で一音ただ出すだけでも
数音あげないとできない。
でもその大変な努力も「歌」が自分にとって何よりかけがえのないもの。ということが
わかっていたからできたこと。
「歌うことにめぐり合えたから、幸せだから、辛いことはない。」(あったけど忘れちゃった)
そうまぶしい笑顔で語る彼女の姿がうらやましくもある。
本当に短い人生はこれからというときであって、沢山の方にとって悔しくもあり、残念。
でも歌という彼女にとって最高のものに出会え、全力で向かうことができたことは
とても幸せなことでもあったと思う。
ただ、何も目標もなく、だらだら生きている人のなんと多いことか。
生きることは長ければいいものではなく、「どう生きるか」が大事。
でも、それでも彼女の死は本当に残念です。
自分は果たしてどうだろう?と恥ずかしくなります。生きるためにどれだけの努力を
しているか?これだけ情熱を傾けたことがあるか?必死になったことがあるか?
どれにも答えることができません。
天使のような人だったとみなが口をそろえていう。コメントを言うみなさんが
悲しいより悔しいという思いがひしひしと伝わってきて、
見てるこちらも涙が止まらなくなりました。
昨年友人とミスサイゴンを見ました。知念里奈と松たか子の両方です。
すごいと思いました。でも一緒に行った友人は本田美奈子.のを見ていて、
「こんなものではない」と。全然違うと話していました。
その後その友人に当時のミスサイゴンのCDを借りました。本田美奈子.が主演のです。
圧倒されました。声量もさることながら豊かな伸びのある声、歌での感情表現、etc
迫力は雲泥の差でした。彼女のためにあったミュージカルと言われたのがよくわる。
あんなにロングランだったのに、一度見ておくんだったと思ったものです。
20周年の今年、元気なら沢山のステージやアルバムなどの活躍が見られたことでしょう。
神様が自分のために歌って欲しいから呼び寄せたのではという人も多かったですが、
アリアはこの世に生きる人、辛いことや悲しいことにもがいている人にこそ聴かせるもの。
やっぱりこの世にあってもっと聞かせて欲しかったですね。
とても残念です。
やすらかに。ただやすらかに、今は辛い体から解放されて休んで欲しい。
そして苦しさも痛みもなく好きなだけ歌って欲しいと心から思います。
by mueri
| 2005-11-09 19:23