2006年 03月 03日
プロフェッショナル |
一昨日は「オーラの泉」を見て、その流れで「堂本剛の正直しんどい」をみた。
ドリカムがゲストだったからだ。深夜番組のあのだらだら感は剛の性格に
とっても合ってると思う。(笑)
公園でいきなりゲリラライブをやってて楽しそうだった。お客さんはラッキーね。
さて、そのあと、そろそろ寝ようかな〜とリモコンでチャンネルを回していたら
ちょうどNHKで「プロフェッショナル 仕事の流儀」の再放送が始まった所だった。
プロジェクトXの後番組で、こちらは個人に焦点をあてて、
今現在のプロフェッショナルとしての人間像を見るドキュメンタリーだ。その再放送は翌日の夜1時10分からやっていた。
今回はWHOで働く日本人女性医師の「新藤奈那子」さんだった。
女で一つで子供2人を育てながら一年の1/3を海外派遣で感染病の対応にあたる。
命がけの仕事だ。
もともと脳神経外科医だった彼女は、男性医師ばかりの中で、女性だからと
引けを取るのがいやで、人一倍頑張っていた。一日24時間近い手術を数多く
こなすうちに体力的に、精神的に追い詰められ、限界を感じて病院を去る。
その後、海外に新天地を求め、感染症について一から学びなおしてWHOに
籍を置いて働くことになった。
勤務して9ヵ月後にSARSが発生し、すぐにアウトブレイク(感染症における急激かつ猛烈な発生)が起きた。原因が特定できず情報をかき集めながら自分を失っていったという。
それでもあきらめずに派遣されたベトナムの病院では、感染を押さえ込むことに成功。
そのノウハウを、今世界中の鳥インフルエンザをはじめとする感染症の押さえ込みに
生かしている。現地にチームで乗り込み、病院の構造から見直し、隔離、防護服の使い方、
患者への接し方から、現地医師たちに教えて感染症を抑える。
アフリカの粗末な病院施設では換気から見直し、隙間にはテープで目張りするところからアドバイスする。
何より大事なのは「小さいうちに握りつぶすこと、とにかく広がらないように抑えること。
それが今一番大事。」
病原菌は絶対に病院外には出さない。という強い意志が見えた。
今一番恐れているのが鳥インフルエンザの突然変異。今は鳥→鳥、鳥→人のみだが、
いずれ突然変異によって人→人へ染るようになると、アウトブレイクが起きる。
40年以内にその可能性は有り、その際には700万人が死亡する恐れがあるというWHOの発表は私も聞いていた。
そうならない為に、彼女達は感染症のプロフェッショナルとして走り回っている。
日本人の女性医師がチームを率いて最前線で活躍していることを私は初めて知った。
子供はまだ小学生。感染症が発生すれば翌日には現地に飛ぶ。子供のことは
仲間に任せていくしかない。子供自信がしっかりするように、しつけは厳しかった。
感染症によって自らが死ぬ危険性が高い仕事のために、子供達には、万が一の時のことも
つつみ隠さず話して聞かしているという。それは特別なことではなくて、
人としての基本だという。思いやりであったり挨拶であったり。こういう風に生きて欲しい。ということ。忙しい母を子供達は小さいながらに理解しているようでした。
保育園の頃は、子供と一緒に山のような荷物を抱えて帰ってくると玄関で倒れこんで
しまうこともしばしば。そうすると息子が冷蔵庫からビールを持ってきてあけて差し出す。
「これ飲んで頑張って」その一杯で力が湧いたという。
子供はちゃんと親を見ているんですね。命をかけて人のために働く母、それを生きがいとして
生き生きとしている母を見て、寂しい以上の何かを、母からもらっている。
そんな風に見えました。
鳥インフルエンザが発生し、派遣が決まると、まず子供に事情を電話する。
このまま一生あえないかもしれない。そういう覚悟をしているので、努めていつものように
平静で電話をするそうだ。
でも派遣先で時折電話して聞く子供の声を聞いて安心しながらホームシックになったりもする。すごく強いけど人間らしい素敵な女性でした。
医師になったきっかけは、高校生のときに、脳腫瘍で亡くした弟の最後の言葉。
「自分はもうきっと長く生きられない。だからお姉ちゃん医者になって。僕のかわりに、明日はあるよって言って欲しい」
その医師をついで、彼女は医者になった。
最近ではトルコでの鳥インフルエンザ。人数が11名と急激に発生したために、もしかしたら
突然変異が起きてしまったのかという不安がかなりあった。
そのために現地にとんだ際に、病院に患者の情報を出してくれるように再三頼んだが、へんな噂を流されては困ると断固として資料を提示しなかった。
彼女は「沢山の医師や研究者が結果を待っているのです」と頼んだが出さなかった。
それでも彼女は食い下がった。「世界中の研究者が、情報を待っているのです。被害を最小限に食い止める為に情報がいるのです。
もし突然変異だったらここだけではすまない。もしものときは、今後この結果が、鳥インフルエンザの世界基準になるんです」
流暢な英語を使い、彼女自身の言葉で語られる情熱は、誤解を解き、関係者の心を動かした。入院した患者の家庭環境、血縁関係、居住地域、沢山の情報が入った。
結果、ひとつの大家族であり、全員鳥との接触があった。突然変異ではなかった。
感染症を最小限に食い止めて押さえ込む。この情熱で彼女はこの仕事に全身全霊を
かけている。
この番組の出演も多忙で出ていただけないと思ったというキャスターの言葉に、
「少しでも感染症のことを知っていただくきっかけになればと思って」と話していた。
とてもかっこいいし素敵だと思った。女性としてもそうだし、「人」としてそう思った。
そしてうらやましかった。彼女は自分が何のために生きているか、自分は何をしたいか、その「何か」を知っている。だから強い。
彼女の言葉。
プロフェッショナルとは・・・
「やっぱり情熱じゃないかな。プロフェッショナルとは技と情熱。
託されたミッション・任務をきっちり遂行するためには必要なこと
漠然と仕事をしてはいけない」
生きがいとなる仕事を見つけた人は強い。
自分に照らし合わせると、恥ずかしくなりますね。
今まで尊敬している女性といえば、UNHCRの緒方貞子さんやマザーテレサでした。
この日もう一人「新藤奈那子」さんが加わりました。
ちなみに、アフリカでは、マラリア予防のために、蚊取り線香を持っていくそうですが、
これがとても効くんだそうで、現地では、帰る時には、置いていってくれと言われるそうです。
アフリカ地方に行かれる方は是非。
なかなか質のいいプロフェッショナルな番組でした。
眠さも吹き飛びました。今度は正規の時間(火曜の21:15〜)見よう。(笑)
ドリカムがゲストだったからだ。深夜番組のあのだらだら感は剛の性格に
とっても合ってると思う。(笑)
公園でいきなりゲリラライブをやってて楽しそうだった。お客さんはラッキーね。
さて、そのあと、そろそろ寝ようかな〜とリモコンでチャンネルを回していたら
ちょうどNHKで「プロフェッショナル 仕事の流儀」の再放送が始まった所だった。
プロジェクトXの後番組で、こちらは個人に焦点をあてて、
今現在のプロフェッショナルとしての人間像を見るドキュメンタリーだ。その再放送は翌日の夜1時10分からやっていた。
今回はWHOで働く日本人女性医師の「新藤奈那子」さんだった。
女で一つで子供2人を育てながら一年の1/3を海外派遣で感染病の対応にあたる。
命がけの仕事だ。
もともと脳神経外科医だった彼女は、男性医師ばかりの中で、女性だからと
引けを取るのがいやで、人一倍頑張っていた。一日24時間近い手術を数多く
こなすうちに体力的に、精神的に追い詰められ、限界を感じて病院を去る。
その後、海外に新天地を求め、感染症について一から学びなおしてWHOに
籍を置いて働くことになった。
勤務して9ヵ月後にSARSが発生し、すぐにアウトブレイク(感染症における急激かつ猛烈な発生)が起きた。原因が特定できず情報をかき集めながら自分を失っていったという。
それでもあきらめずに派遣されたベトナムの病院では、感染を押さえ込むことに成功。
そのノウハウを、今世界中の鳥インフルエンザをはじめとする感染症の押さえ込みに
生かしている。現地にチームで乗り込み、病院の構造から見直し、隔離、防護服の使い方、
患者への接し方から、現地医師たちに教えて感染症を抑える。
アフリカの粗末な病院施設では換気から見直し、隙間にはテープで目張りするところからアドバイスする。
何より大事なのは「小さいうちに握りつぶすこと、とにかく広がらないように抑えること。
それが今一番大事。」
病原菌は絶対に病院外には出さない。という強い意志が見えた。
今一番恐れているのが鳥インフルエンザの突然変異。今は鳥→鳥、鳥→人のみだが、
いずれ突然変異によって人→人へ染るようになると、アウトブレイクが起きる。
40年以内にその可能性は有り、その際には700万人が死亡する恐れがあるというWHOの発表は私も聞いていた。
そうならない為に、彼女達は感染症のプロフェッショナルとして走り回っている。
日本人の女性医師がチームを率いて最前線で活躍していることを私は初めて知った。
子供はまだ小学生。感染症が発生すれば翌日には現地に飛ぶ。子供のことは
仲間に任せていくしかない。子供自信がしっかりするように、しつけは厳しかった。
感染症によって自らが死ぬ危険性が高い仕事のために、子供達には、万が一の時のことも
つつみ隠さず話して聞かしているという。それは特別なことではなくて、
人としての基本だという。思いやりであったり挨拶であったり。こういう風に生きて欲しい。ということ。忙しい母を子供達は小さいながらに理解しているようでした。
保育園の頃は、子供と一緒に山のような荷物を抱えて帰ってくると玄関で倒れこんで
しまうこともしばしば。そうすると息子が冷蔵庫からビールを持ってきてあけて差し出す。
「これ飲んで頑張って」その一杯で力が湧いたという。
子供はちゃんと親を見ているんですね。命をかけて人のために働く母、それを生きがいとして
生き生きとしている母を見て、寂しい以上の何かを、母からもらっている。
そんな風に見えました。
鳥インフルエンザが発生し、派遣が決まると、まず子供に事情を電話する。
このまま一生あえないかもしれない。そういう覚悟をしているので、努めていつものように
平静で電話をするそうだ。
でも派遣先で時折電話して聞く子供の声を聞いて安心しながらホームシックになったりもする。すごく強いけど人間らしい素敵な女性でした。
医師になったきっかけは、高校生のときに、脳腫瘍で亡くした弟の最後の言葉。
「自分はもうきっと長く生きられない。だからお姉ちゃん医者になって。僕のかわりに、明日はあるよって言って欲しい」
その医師をついで、彼女は医者になった。
最近ではトルコでの鳥インフルエンザ。人数が11名と急激に発生したために、もしかしたら
突然変異が起きてしまったのかという不安がかなりあった。
そのために現地にとんだ際に、病院に患者の情報を出してくれるように再三頼んだが、へんな噂を流されては困ると断固として資料を提示しなかった。
彼女は「沢山の医師や研究者が結果を待っているのです」と頼んだが出さなかった。
それでも彼女は食い下がった。「世界中の研究者が、情報を待っているのです。被害を最小限に食い止める為に情報がいるのです。
もし突然変異だったらここだけではすまない。もしものときは、今後この結果が、鳥インフルエンザの世界基準になるんです」
流暢な英語を使い、彼女自身の言葉で語られる情熱は、誤解を解き、関係者の心を動かした。入院した患者の家庭環境、血縁関係、居住地域、沢山の情報が入った。
結果、ひとつの大家族であり、全員鳥との接触があった。突然変異ではなかった。
感染症を最小限に食い止めて押さえ込む。この情熱で彼女はこの仕事に全身全霊を
かけている。
この番組の出演も多忙で出ていただけないと思ったというキャスターの言葉に、
「少しでも感染症のことを知っていただくきっかけになればと思って」と話していた。
とてもかっこいいし素敵だと思った。女性としてもそうだし、「人」としてそう思った。
そしてうらやましかった。彼女は自分が何のために生きているか、自分は何をしたいか、その「何か」を知っている。だから強い。
彼女の言葉。
プロフェッショナルとは・・・
「やっぱり情熱じゃないかな。プロフェッショナルとは技と情熱。
託されたミッション・任務をきっちり遂行するためには必要なこと
漠然と仕事をしてはいけない」
生きがいとなる仕事を見つけた人は強い。
自分に照らし合わせると、恥ずかしくなりますね。
今まで尊敬している女性といえば、UNHCRの緒方貞子さんやマザーテレサでした。
この日もう一人「新藤奈那子」さんが加わりました。
ちなみに、アフリカでは、マラリア予防のために、蚊取り線香を持っていくそうですが、
これがとても効くんだそうで、現地では、帰る時には、置いていってくれと言われるそうです。
アフリカ地方に行かれる方は是非。
なかなか質のいいプロフェッショナルな番組でした。
眠さも吹き飛びました。今度は正規の時間(火曜の21:15〜)見よう。(笑)
by mueri
| 2006-03-03 07:48